世界に誇るホスピタリティEchigo Country Trail 2019 / 総合7位

普段試走なんてしない僕だけど、今年のエチカンは試走をしていた。

試走は2週間前。結果は散々だった。

最後まで走りきることすらできず、正直レースに向けて不安を残すものだった。

(この記事のプロローグ、TOKIMINGO図鑑も合わせて読んでいただければより楽しめます)




さぁ、スタートまで1分!!

レースディレクターの松永さんの声が会場に響く。

行くしかない。

行くしかないのだ。

試走が不安な結果だろうが、腰痛があろうが、レースはあと1分で始まる。

直前にはいろんな不安が湧き上がってくるもの。

だけどそれを打ち消すに十分なだけの練習をしてきた。

そうだ。

練習は嘘をつかない。

「全ての練習は今日のために」

「行きますよ、僕らはできる!!」

レースにほとんど出たことのない期待の新星、鳥ミンゴを鼓舞する。

鳥ミンゴと、厚木大学Fさんと。

「30秒前」

Yeah!!!!!!!!!!!!

興奮が一気に高まり、闘志が湧いてくる。

レース特有のこの高揚感が気持ちいい。

興奮が絶頂をむかえ、鳥ミンゴとハイタッチしスタートする。



序盤。

はじめの1km。小川壮太さん、大瀬さん、みんな抑え気味。誰も飛び出さない。

一瞬トップに出て、そのあとスピード調整。10番手ぐらいにつく。

「もう渋滞の心配はないですよ!!」

すぐ後ろを走っていた鳥ミンゴに伝える。それを聞いて鳥さんはペースダウン。

かわりに僕の隣にはダーハマがピッタリつけていた。

3キロほどすぎて法末(ほすえ)集落を抜ける頃には先頭集団もばらけていて、

1つ前を走っていたオーストリア人と

We are doing warming up now.

なんて話しながら走った。



雨は小雨になっている。

事前の予報では大雨だったのに、雲がうすれ、光さえもさしてきた。

法末の応援が僕にエチカン(Echigo County)を思い出させてくれる。

日本一、応援のアツいトレラン大会。

鍋をおたまで叩きながら雨の中応援してくれるおっちゃん、おばちゃん。

応援が本当にアツイ。この大会の魅力はズバリこれだと断言できる。

法末エリアを過ぎて、後方のランナーとすれ違う。

すれ違いざまに、互いを励ます。

……にしてもすれ違うTOKIMINGOメンバーの多いこと多いこと笑

なだらかな登り坂を駆け上がり、西山遊歩道というトレイルに入る。

尾根が気持ちよくさっきまで小さく見えていた西山?白山?の山頂に。

山頂にも応援の皆さんが。

ここまで応援のために登ってきてくれたのかな。。。すごい。

そして1人のおっちゃんが僕にひと言。

「今、9位だよ。」

………この言葉が僕に“競争”を思い出させる。

前半からとにかく自分のペース、他とは比べず刻み続ける作戦だったので、これを聞いて急にペースを変えることはなかったけれど、それでもやはり意識はした。

その山のくだり、林道で。

………きた。

キタキタキタキタキタキタ!!!

ダーハマ Coming!!

9位からダーハマに抜かれて10位に。!!!

トキミンゴに抜かれたこと、ダーハマの速さに驚いたけれど、まったく焦ることはなかった。

自分のペースで。必ず後半、最後の難所八石山で何かが起きる。

走れるコースのこのレース。

何かが起きるなら八石山。

その時をベストコンディションで迎えたい。



そういえば、レース前からずっと痛かった腰もなんだか走ってると痛くない。

体の様子を確かめてみる。

脚:痛くない

腰:違和感ない

胃腸:大丈夫

……調子がいい、All Greeeeeeen👍

そしてなんと言っても今回から投入した新しい補給食。

コーヒーゼリーの味……というか、まじのコーヒーゼリー!

おいしい!!!ブログに書くほどおいしい!笑笑

……この美味しさが後々あだに笑。

そんなことはまだ知るよしもなく快速で走り続ける。



白山運動公園エイド。

まだまだ元気な僕は9位のランナーを捉える。

2週間前の試走の時にはこの時点ですでに疲れていた。

今日はまったくもって元気だった。

その後の登り返しも走り続けた。ほぼWalkなし。

3分以上連続して歩いたのってたぶんラストの八石山くらい。

ここの登りを登りきったら、あとはせせらぎエイドまでの長い長い林道とロード。

ここの長い長いロードでどれだけ膝を残しておけるかが1つの大きなポイントだったと思う。

そしてこのあたりから雨風が急激に強くなりだす。

田んぼに出て応援をしてくれているおじいちゃんもおばあちゃんもずぶ濡れ。

それでも一生懸命応援してくれてる。

「雨の中、応援ありがとうーー!!」


長い長い田んぼのあぜ道をくだって行き、せせらぎエイドへ。

ここでの応援も激アツだった。

メガホンを持った1人の男子が叫ぶ。

ゴーゴー、レッツゴー、レッツゴー、ゆーた!

その場にいる数十人の中学生が続く。

ゴーゴー、レッツゴー、レッツゴー、ゆーた!

数十人の応援コール。

めっちゃ照れる。が、中学生がこんなにも応援してくれるってのはそれだけで感動。

笑みがこぼれる。最高やな♪

テンションが上がらないわけもなく、最高の気分でせせらぎエイドを出発する。



昨年も一昨年もここから先では順位は入れ替わらなかった。

ずいぶん前、白山運動公園で1人抜かして以来、もう2時間以上も前とも後ろとも誰とも会っていない。

手元の時計でキロ5分ペース。……これ以上ペースを上げるのはちょっと危ない。

膝も少し気になりだしたし、腰も少し違和感。

さて、八石山はここから。

「前とは4分差だよ!」

応援のおっちゃんが言う。

よし。何かが起きるなら八石山。まだいける。



舗装路を抜け、再び山へ。

試走で心が折れた地点を難なくクリア。

「いける。」

順調だった。

八石山の登山口で応援してくれてる人に聞かれる。

「前を走ってるTOKIMINGOの人、誰ですか?!?!」

…「ダーハマ!」

……自分がTOKIMINGOの中で2番手なんだと実感した。

もうダーハマに抜かされてから3時間が過ぎていた。

しかし「なにかがあるならここ(八石山)しかない」そう心に信じるものが、あった。

自信を持てるだけのペースでコツコツ、誰とも会えなくてもそう信じて刻んできた。



八石山。

TOKIMINGOメンバーからも「ここの登りはキツイ」と聞かされていた。

しかし、どうだろう。

正直、高尾で世界の長田くんと見つけたノコギリコースの方が断然キツイ。

風雨が怖いほどきつくなり、木がグワングワンうなり、しなっていたけど、

登り坂の傾斜や難易度は苦ではなかった。


八石をガシガシいい感じに登っていると。

見えた!!

やっと見つけた。はじめに一緒に走ってたオーストラリア人!

「we Just finished warming up now」

オーストラリアの彼に笑いながら僕がそう言うと

hahaha so now starting the race!」

そんなやりとりをしたあと、僕は彼を抜かし先へ進んだ。



山頂まであと少し、分岐をすぎ、山頂にむかう。

雨が降り、風が吹き荒れる尾根を駆け登る。山頂まであとすこし。

山頂まで30秒のところでついに見つけた。

ダーハマ!!!!

30秒遅れで山頂のチェックポイントを通過する。

「あ!!またTokimingo!!」と言われる。

「はーい、2羽目でーす!」と答える。

しかし内心「僕が1羽目や!!!!」 と思った!

………これが闘志ってやつ。

八石山頂でTOKIMINGOポーズ

3分後、ぼくは1羽目になっていた。

ダーハマが登り坂を歩いてるのが再び見える。・・・ここも激坂と比べれば余裕だった。

登りを駆け上がり、ダーハマを追い抜かす。

「もうくだりだけですか??」

坂のてっぺんでダーハマがスタッフに聞いていた。・・・かなり疲れてるな。そう思った。

・・・「くだり基調ではあります」スタッフさんがそう答えていた。

よし。

まだ力が残っていた僕を、わずかに残された力で抜き返そうとスピードを上げたダーハマを再び抜き返し、さらにスピードを上げた。

八石山を落ちるようにくだった。ズルズル、ジャバジャバ、とにかくどろんこ。

滑りながら降りるテクニック、2月のRun through The Jungle の経験が生きている。

そして体幹と上半身を使う新フォーム、真価が発揮された。

どろんこぬるぬるな最悪のサーフェスなのに一度も転ばずフルスロットルで降りることができた。

スキーみたいに泥の上をエッジを効かせて、ザッ! ザッ! って。

楽しかった。



八石山を抜けロードに入る。

キロ5分。

もうダーハマは来ない。

……が、

ここで問題発生。

補給食がおいしすぎてパクパク食べ過ぎたことによる、

食糧難😱

おなかへったけどもうジェル使い果たした。

「次のエイドで何か、クッキーか何かをもらおう!」……そう思っていた。

最後のエイド。

お腹がペコペコだったがここで止まる訳にもいかず、何かを受け取ってすぐ走り出したかった。

僕「何か食べるものありますか?!」

エイドのおねえさん「はい、これ!!!」

いなりずし!

しかしここは普段から鍛えられた山力が発揮された。

お稲荷さんを3つ握りしめた僕は即座にエイドを離脱、走り始めた。
ふたつはすぐに走りながら食べた。

「もしかしたらまたお腹が空くかもしれない。」

冷静だった僕はすべて食べきるなんて事はせず、ギュッと握りしめた一つのお稲荷さんをザックにそのまま詰め込んだ。

この15分後くらいにお稲荷さんをいただくことによってゴールまでエネルギー切れになることなくたどり着けました。ありがとうございました。

・・・おにぎりだったらできなかったな。セーフ。



ラスト田んぼのあぜ道を走る。風雨がめちゃくちゃ強い。

だけど雨ガッパを着たおじいちゃんおばあちゃんが一生懸命応援してくれる。

元気を!げんきをありがとう!!!!

もう何もさえぎるものもない。残すところ2キロ。

ロードの登り、一切歩かない。脚は止まらない。
ゲキザカ、高尾の底沢UP、ましてや長田くんとの練習……。

そんなのに比べたらこれはもうフラット。
15%未満の坂なんて、もはやフラット。

ラスト1キロのトレイル。ちょうど地元、小国小学校の子どもたちが家族と一緒に走っている。

「みんながんばれーーー!!!、隣、通りまーす!!」

そんな声かけをしながら走る。

っと

「あ!! ユーータくんだーー!!」と1人の子が!

小学校1年生になったジュンズの息子、ジュンズjrがおじいちゃんと走ってる!!

おお!!!! めちゃ楽しそうに走ってる!

雨でどろんこなのに、トレイルをニコニコしながら走ってる。

少しだけ一緒に走って元気をもらう。

ありがとう!ジュンズ Jr!!

たくさんの子どもたちが雨の中、トレイルを走っている。
こんな天気でも一生懸命どろんこになって走る子どもたち、お父さんお母さん。
それを許してくれる学校、地域。いいなぁ。



ゴールのスピーカーから聞こえる松永さんの声が近づいてくる。

子どもたちと一緒に走り、最後はゴールで応援してくれてる何十人もの人たちとハイタッチをしながらゆっくりと歩いてゴールをした。

気持ちがいい!

Echigo Country Trail 2019 from Yuta Matsuyama on Vimeo.

こうして走ることを一緒に楽しみ、ゴールを讃えてもらえる。

ここには世界遺産もなければ、絶景の観光地や有名な山もない。

だけど間違いなくここには世界に誇れるホスピタリティがある。

これが毎年僕がこのレースに出ている大きな理由だ。


結果:5時間43分 (公式 八石山CUT タイム 5時間23分) 総合7位

僕の後ろすぐダーハマ、そしてオーストラリアの彼がゴール。(このメンツ以降は悪天候のため八石山頂をコースカット)

こうして僕のエチカン2019が終わった。
中盤以降、とにかく自分のペースで刻み続けられたことが良かった。

ブレずに自分のペースを。50kmでは短い。これが100kmのレースだと刻み続けることでもっと先行ランナーが落ちてくると思う。後半に持ち味を出したい。

練習は嘘をつかない。

これからも自分の納得できる走りができるように、次に向けていい準備をしていきたい。

そう、次はオーストリア🇦🇹

Gross Grockner 110km!! 絶景が呼んでます。


それにしても気持ちが良かった。
このEchigo Country Trail に関わる全ての人に感謝したい。

ありがとうございました。

そして、TOKIMINGOのみんな、ありがとう。

レースの後はTOKIMINGO新潟本部にて豪雨の中BBQが夜まで続きました。

TOKIMINGOのホームレース最高のEchigo Country Trail 、来年もまた!



Supported by Inner fact

⬆︎このスーパーバッドコンディションでもマメも蒸れ感もゼロでした。いつもありがとうございます^ ^

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